本記事では簡単にBlenderで日焼け跡を作成する方法についてご紹介していきたいと思います。
前提知識
本記事のBlenderで日焼け跡を作成する方法をご紹介する前に、いくつかの前提知識が必要になります。そのため、本章でご紹介した前提知識についてわからない方は先にそちらをご覧ください。
まず本記事でご紹介する日焼け跡を作成する方法はテクスチャペイント式となっています。AOとしてベイクする方法ではないためご注意ください。
そのため、テクスチャペイントの基本的な使い方が前提知識となるため、わからない方は先に下記の記事をご覧ください。
Blender TexturePaint(テクスチャペイント)の基本的な使い方 - TomoGのごちゃまぜ倉庫
参考動画
本記事の内容は上記の動画を参考に、かつ筆者が失敗した事柄などを交えてご紹介していきたいと思います。
日焼け跡の作成方法
本章からは実際の日焼け跡を作成していく方法についてご紹介していきたいと思います。
各オブジェクトを用意
まず初めに日焼け跡を作成するためオブジェクトを用意する必要があります。この時必要になるオブジェクトとは下記の2点です。
・日焼けさせるオブジェクト(肌など)
・日焼けを防ぐオブジェクト(水着など)
上記の2つのオブジェクトが必要になります。本記事ではわかりやすいよう肌オブジェクトと水着オブジェクトと記載します。
本記事ではリアルな形やシェーダーにすると色々とまずいので、上記のようなオブジェクトでやり方をご紹介していきます。サンプルとして設定するシェーダーも同様になるため、ご注意ください。
上図では緑色の平面が肌オブジェクト、水色の円が水着オブジェクトとしてご説明をしていきます。
UV展開
次に肌オブジェクトのUVを展開してください。UV展開の基本的な方法は下記の記事をご覧ください。
【初心者向け】BlenderでUV展開の基本的な使い方をご紹介! - TomoGのごちゃまぜ倉庫
また、1つのUVですべて完了させるという方には問題はありませんが、複数のテクスチャを利用している場合は日焼け用のUVを作成して利用することをおすすめします。複数のUVの使い方は下記の記事となります。
Blenderで複数のUVを使う方法とメリット・デメリットをご紹介 - TomoGのごちゃまぜ倉庫
UV展開を行うときの注意点として、日焼け跡と焼けていない肌の境界近くにシームを設定しないようにしてください。
後々ある程度調整できますが、ないほうがもちろんいいのでシームの位置は注意して設定してください。
また、複数のUVを利用する場合は、日焼け跡と焼けていない肌の境界近くのUVはできるだけ大きく設定してください。すると滑らかな境界を再現しやすくなります。
オブジェクトを統合
次に肌オブジェクトと水着オブジェクトを統合させます。
統合する前に、最初に水着オブジェクトと肌オブジェクトの隙間がないよう調整をしておいてください。
調整をするとき、下記の記事でご紹介しているスナップの設定を面にすると調整が楽になります。
Blenderでシールのように表面上に貼り付ける方法 - TomoGのごちゃまぜ倉庫
調整が完了したら、水着オブジェクトを複製して、肌オブジェクトに統合してください。ここで複製する必要は本来ありませんが、後々の作業を考えると複製をしておいたほうが楽になります。
オブジェクトを統合したら、水着オブジェクトのメッシュのUVも調整する必要があります。
しかし、水着のメッシュのUVは使い捨てになるものなので、上図のように適当で問題ありません。
非常に小さくしてまとめていると、後々調整が楽なので小さく隙間に置いておくのがいいと個人的には思います。
マテリアル設定
次にマテリアル設定を行っていきます。しかし、マテリアルの設定といっても行うことは2つあるため、分けてご紹介していきます。
マテリアルの変更
まずはマテリアルの変更をする必要があります。
恐らく統合したオブジェクトでは、水着オブジェクトのメッシュ部分が水着のマテリアルになっていると思います。
この水着オブジェクトのメッシュに設定されている水着のマテリアルを削除し肌のマテリアルを割り当ててください。
水着のメッシュ部分に肌のマテリアルを割り当てていないと、テクスチャペイント時非常に困ることになるため、必ずマテリアルの変更は行っておいてください。
ノードの追加
次にノードの追加となります。
日焼け部分のシェーダーを変更したい場合はシェーダーミックスを、色だけを変更したい場合はRGBミックスを追加します。本記事では上図のようにRGBミックスを例にしてご紹介していきます。
青が肌が焼けていない部分、緑が肌が焼けている部分を示していると思ってください。また、UVマップは複数使った場合を想定してUVマップノードを使用しています。
次に上図のように日焼け用テクスチャを新規作成してください。この画像の解像度が日焼けの解像度となります。
ここまででマテリアルの設定は完了となります。試しにシェーディングを見ると、おそらく肌オブジェクト全てが肌マテリアル(本記事では青)になっていると思います。
テクスチャペイント設定・塗り
次に実際に日焼けを作っていくためテクスチャペイントの設定をした後塗っていきます。そのため、こちらも分けてご紹介していきたいと思います。
テクスチャペイント設定
まずは3DViewでモードをテクスチャペイントモードに変更してください。編集モードなどに変更できる場所から変更することができます。
テクスチャペイントモードにした後、【N】キーで出てくるタブメニューの中にある【ツール】から上図のように設定していきます。
まずはテクスチャスロットですが、肌マテリアルを選択してください。肌オブジェクトにマテリアルが1つしかない場合は、設定する必要がないため項目がないと思います。
次に肌マテリアルを選択すると下に出る、テクスチャ一覧から前節で新規作成したテクスチャを選択してください。
次にブラシ設定ですが、こちらは【ミックス】または【追加】を選択してください。消す場合は【減算】にするか塗る色を白に変更してください。
次に重要な設定で、オプション項目の中にある【遮蔽】という項目にチェックを入れてください。これが入っていないと日焼け跡を作ることができないためご注意ください。
また、作成したい日焼け跡が左右対称の場合は、対象項目の中にある軸を選択すると作業が短縮されるようになります。
テクスチャペイント塗り
前項でテクスチャペイントの設定は完了したので、あとはテクスチャペイントで塗っていってください。水着のメッシュ部分にも塗っていってください。
この時、UV展開によっては塗れない部分が出てくると思いますが、最後に調整するので今はあまり細かいことを気にしなくても問題ないと思います。
オブジェクトを分離
テクスチャペイントが完了したら、上図のように水着のメッシュを選択してください。
この時、【オブジェクトの統合】の章で水着オブジェクトを複製して統合した方は削除して問題ありません。
もし水着オブジェクトを複製して統合していない方は【分離>選択物】で分離を行ってください。そのあと、水着オブジェクトを非表示にしてください。
すると上図のように水着部分だけ色が塗られていない状態になると思います。先述した通り、青は日焼けしていない部分、緑は日焼けした部分となっています。
調整
最後に調整を行います。この調整には3つほどあるため、こちらも分けてご紹介していきたいと思います。
色抜けなどの調整
まず初めに日焼けしてはいけない、つまり塗られてはいけない部分も塗られていた、またその逆の場合があると思います。そのようなときは、直接その箇所にテクスチャペイントで塗って調整を行ってください。
基本的にはこの修正・調整で問題は直ると思いますが、直らない場合があるためその場合は次項の方法を試してください。
外部ソフトでの調整
前項の方法で調整できない場合は外部ソフトで調整を行うのが便利となっています。
筆者の場合ですと、細かな部分がどうしてもテクスチャペイントで塗れなかったため行いました。
日焼け用テクスチャを画像としてエクスポートして、GIMPなどで直接ペイントします。
この日焼け用テクスチャは基本的に白黒・モノクロ画像になっていると思いますので、誰でも調整できるメリットがあります。
境界線の調整
最後に日焼け部分と日焼けしていない部分の境界に【ぼかし】を追加していきたいと思います。これを行っていないと、上図のように境界部分が角張ったり、境界がはっきりしすぎて違和感になります。
上図のようにテクスチャペイントモード時、【T】キーで出てくるツールから【ぼかし】に変更して境界を塗っていってください。すると上図のように境界線が滑らかになると思います。
以上がBlenderで日焼け跡を作成する方法になります。
本記事の内容は以上となります。
水着や夏に絡んだシーンをレンダリングするとき、日焼け跡はアクセントとして利用できるため、是非皆さんも使ってみてください。
本記事は以上です。お疲れさまでした。