今回は今までノーマルマップを使う時などに使用していた時に皆が思っていたであろう疑問についてご紹介していきたいと思います。
その疑問とは配布されているテクスチャに付いている事が多い〇〇_disp.jpgとかのファイルの使い道です。
〇〇_col.jpgや〇〇_nrm.jpg等は使っても〇〇_disp.jpgだけは使った事がありませんでした。そのdisp画像の使い道を本記事でご紹介していきたいと思います。
ディスプレイスメント画像があるテクスチャ配布サイトはこちらから
そもそもdisp画像とは
〇〇_col.jpgならColor画像、〇〇_nrm.jpgならNormal画像と分かりやすいものでしたが、〇〇_disp.jpgは何画像になるのでしょうか。
このdispとは記事のタイトルにもなっているDisplacementの略のことです。
Displacement画像の2通りの使い方
Displacement画像の主な使い方ですが、2通りあります。
1つ目はモディファイヤーを利用する方法です。これが多くの場面で利用されているもので、基本となっています。
2つ目はMicroDisplacementsと呼ばれる方法となります。この方法はBlenderの実験的なものを利用することになるため、強制終了になる可能性が高くなりますが、非常に高品質な凹凸を作ることができるため、よりリアルな凹凸を表現することができるようになっています。
本記事ではその2通りあるDisplacement画像の使い方を章に分けて、次章からご紹介していきたいと思います。
モディファイヤーの場合
まず初めに、一番使う機会が多いと思うモディファイヤーを使ったDisplacement画像の使い方をご紹介していきたいと思います。
Displacement画像の使った結果
Displacementを使ったものが上図になります。
ノーマルマップを使ったものかと思う方もいると思いますが、上図のメッシュは下記のとおりとなっています。
上図が先ほどのタイルのメッシュになります。実は先ほどのタイルはノーマルマップで凹凸を付けたように見せていたのではなく、本当に凹凸があったのです。
つまり、テクスチャの模様をメッシュにさせることが出来るのがDisplacement画像ということになります。
しかし、後述の作り方を見れば分かりますが、模様を付ける分ハイポリになるので、ゲーム素材などには非常に使いにくいものになっています。
Displacement画像(Map)の使い方
このDisplacement画像・Displacement Mapを使う方法を今からご紹介していきたいと思います。
メッシュを用意
まずはDisplacement Mapを使用するためのメッシュを用意します。
上図のように平面を用意し細分割曲面をかけます。細分割曲面のタブをシンプルにしないと、平面が円になっていくのでご注意ください。
ビュー数は滑らかな模様を取りたい場合ほど数値を上げてください。しかし、7以上の場合でないと模様がうまくつかない場合があります。
細分割曲面の値が決まったら適用を押して、メッシュを増やしておいてください。
※Blender 2.8以降では細分割曲面ではなくサブディビジョンサーフェスモディファイヤーとなります。そのため、Blender2.8以降を使っている方は以降でも細分割曲面と出てきたら、サブディビジョンサーフェスだと思ってください。
Displacementのモディファイヤー追加
まずは先ほど作ったメッシュにモディファイヤーを追加していきます。追加するモディファイヤーはDisplacementをそのまま日本語にしたディスプレイスを選択してください。
すると上図のような項目が出てくるので、テクスチャの新規を押してください。既にdisp画像を読み込んでいる人は、そのテクスチャを選択してください。
Displacementテクスチャを追加
次にテクスチャの設定タブに移動してください。そして上図の上部の赤線にDisplaecementと書かれている事を確認してください。もし書いていない場合は変更してください。
そしてテクスチャ設定項目の画像の新規・開くボタンでdisp画像を読み込んでください。
読み込んだ結果が上図のようなものになります。ここまでくるとDisplacement Mapはほとんど完了となりますが、最後は調整を行っていきたいと思います。
※もしこうならない場合は編集モードのままの可能性があります。必ずオブジェクトモードにしておいてください。
調整
調整方法として、先ほど追加したディスプレイスのモディファイヤーの項目の中にある強さというところを変更すると調整することができます。
そして調整された結果が上図のようなものになります。
参考動画
MicroDisplacementsの場合
次に、MicroDisplacementsと呼ばれるDisplacement画像の使い方をご紹介していきたいと思います。
結果
上図のようになります。
メッシュのみを見ると上図のようになっています。
MicroDisplacementsの使い方
前準備
前準備が出来ていないと、次項からの画面が記事と同じにならないので、しっかりと確認しながら進めてください。
まずはレンダーの機能セットを標準から実験的に変更します。
変更箇所としては上図の通りです。
Blenderのシーンタブを開き、レンダーエンジンをCyclesに変更後、機能セットを標準から実験的に変更してください。
この実験的の機能セットはあくまで実験のため、Blenderが強制終了しやすくなります。保存を今までよりも頻繁に行ってください。
マテリアル設定
次にマテリアル設定をしていきます。
Displacement画像を適用したいオブジェクトを用意し、そのオブジェクトにマテリアル設定をノードでしていきます。
Blender ノードエディタの使い方02【基本的なレンダリング】
サーフェスのところは自由に設定していても構いませんが、マテリアル出力のディスプレイスメントにリンクさせる必要があります。
画像ノードにDisplacement画像を読み込ませ、ディスプレイメントノードの高さにリンクさせてください。そして、それをマテリアル出力のディスレイスメントにリンクさせてください。
また、UV展開をしておく必要もあるため、Displacementを適用したいオブジェクトはUV展開をしておいてください。
ノード設定が終わったら次にマテリアルの設定項目を変更しにいきます。
マテリアルのタブまでいって、その中に設定項目の中のサーフェス、そしてその中にあるディスプレイスメントという項目があると思います。
この項目を【ディスプレイスメントとバンプ】に変更してください。これを忘れるとメッシュが変形してくれません。
サブディビジョンサーフェスの設定
最後にサブディビジョンサーフェスを設定するとMicroDisplacements設定は完了します。しかし、いつものサブディジョンサーフェスとは少し異なるので注意が必要です。
サブディビジョンサーフェスモディファイヤーを追加すると上図のように、いつもと異なるメニューがあると思います。
そのいつもと違う設定の【適応】という項目にチェックを入れておいてください。
シャープ辺を使えば、カトマルクラークでもいいのですが、面倒なのでシンプルにしています。
Blender シャープ辺の使い方・細分割曲面でエッジを消さない方法
これでMicroDisplacementsと呼ばれる、Displacement画像の使い方は完了となります。
参考動画・サイト
Blender 2.8以降の方は下記の動画をご覧ください。
Blender2.79以前の方は下記の動画をご覧ください。
これで今回の内容は終わりとなります。
以前までご紹介していたノーマルマップを使って凹凸を誤魔化すやり方ではなく、実際に凹凸を作るのが今回のやり方になります。ポリゴン数を気にしない作品等に使ってみるといいかもしれません。
これで記事は終わります。お疲れ様でした。