本記事ではBlenderで足のIKリグの設定方法についてご紹介していきたいと思います。
以前までのリギングに関する知識が前提となっているため、そちらをまだ確認されていない方は、先にそちらをご覧ください。
【初心者向け】Blender キャラクターのアニメーション作成方法 その3【IKの基礎】 - TomoGのごちゃまぜ倉庫
参考動画
上記の動画を参考にしていますが、非常に説明が速いため、再生速度を0.25倍速にして再生してみることをお勧めします。
また、上記の動画では足の指の動作も設定していますが、足はあまり使わない上、今の筆者では理解できなかったので説明を省かせて頂いています。
言葉の定義
本記事では頻繁に脚と足という言葉を出します。
本記事では明確に脚と足は違う意味で記載しているため、混合された場合イメージと異なる結果になる恐れがあります。
本記事では上記の記事のように
脚:太ももから足のつま先までの全て
足:くるぶしから下の部分
と書き分けています。
この脚と足を分けている理由は、指摘箇所を明確にすると同時に場合によってボーン設定が変わるからです。
具体的にいうと、裸足、曲がる靴(運動靴等)、曲がらない靴(ヒール等)によって、どこまでボーンを追加するのかは異なります。
本記事では主に曲がる靴をターゲットにしていますが、曲がらない靴は本記事の脚のIK設定までと調節を行うとできるかもしれません(未確認)
また、参考動画では裸足をターゲットにしているため、本記事の内容を行った上で、各足の指のボーンを追加することで完了となります。
脚・足のIKの設定方法
前提条件
いつもは全身にボーンを入れていますが、本記事では分かりやすいよう上図のように片脚部分のみのボーンでご紹介します。
上から順に
①:Root
②:Leg_Upper_L
③:Knee_L
④:Leg_Downer_L
⑤:Foot_L
⑥:Toe_L
となっています。
この状態から、設定方法をご紹介していきたいと思います。
IK用のボーン作成
まずは脚のIK用のボーン(本記事での名前:Leg_IK_L)を作成していきたいと思います。
Knee_Lのボーンの付け根当たりから、押し出しで新たなボーンを作成し、ペアレントの親子関係を解除してください。
そして、解除後は移動して上図のようにボーンを離しておいてください。
もしペアレントの解除方法等が分からない場合は、下記の記事のIKの準備をご覧ください。
【初心者向け】Blender キャラクターのアニメーション作成方法 その3【IKの基礎】 - TomoGのごちゃまぜ倉庫
次に同じように足のIK用のボーン(本記事での名前:Foot_IK_L)を作成します。
Foot_Lを複製し、親子関係を解除して少し下にずらしてください。
これでIKの設定を行う準備は出来ました。
脚のIK設定
次に上図のように、Leg_Donwer_LにIKのボーンコンストレイントを追加してください。
IKを追加後、上図の赤枠のように各項目を設定してください。また、チェーンの長さは自分のボーンを確認後数値を入れてください。
こちらも以前の記事でご紹介しているため、詳細はそちらをご覧ください。
次にIKを設定した後、上図のように足がとんでもない向きに曲がっている場合があります。
そのような時は上図のように、IKのボールの向きを変更することで、足の向きを修正することができます。
次にFoot_LのボーンにボーンコンストレイントにCopy Rotaionを追加し、上図のようにターゲットをアーマチュア、ボーンをFoot_IK_Lにしてください。
Foot_LとFoot_IK_Lのボーンは基本的に重なっているので、複雑だとは思いますが間違えないようにしてください。
これで脚のIKの基本的な設定は完了です。後は足先と調整が残っていますが、しっかり動くか確認してみます。
ポーズモードにして、Leg_IK_Lを移動させると脚の向きが、Foot_IK_Lを動かせると、脚全体が動くようになったと思います。
上図のようにFoot_IK_Lを動かしただけではおかしな場合があります。Leg_IK_Lを動かして対応するのもいいのですが、この辺の調整は最後に行います。
確認し終わったら、ポーズモードで全選択後【Alt+G or R】で位置を戻しておいてください。
足のIK設定
次に足のIKを設定していきます。
まず始めに上図の赤丸部分である足先のボーンでのToe_Lの根本から押し出しで新たにボーンを作成してください。
このボーンの名前はToe_Pivot_Lと本記事ではしています。
また、このボーンのペアレント設定ですが、本記事通りやっていた場合、Foot_Lになっていると思います。
そのペアレント設定を解除して、ペアレント設定をToe_Lにしてください。
次にFoot_IK_Lのペアレント設定を変更します。
Foot_IK_Lのペアレント設定を先ほど作成したToe_Pivot_Lにしてください。
次にToe_Lのペアレント設定を解除します。
本記事の通りであれば、Foot_Lがペアレント設定になっていると思いますが、解除してください。
これで足のIK設定については完了です。
Toe_Lを動かすと脚が動くようになったと思います。
また、Toe_Pivot_Lを回転させると、上図のようにつま先立ちのように動いてくれるようになったと思います。
調整
最後にIKの調整を行いたいと思います。これは全ての部位に言えることですが、本記事では足の部分について行いたいと思います。
調整するため、まずは変な動きをしているボーンを選択して、上図のようにボーン設定のインバースキネマティクス(IK)の値を調整します。
ここは各自の環境によるものなので、様々な値を試してみて調整を行ってください。
筆者は上図のようにZ軸をロックすることで問題を解決しています。
参考記事
本記事の内容は以上となります。
リギングの中でもほんの一部である足・脚のIKリグの設定方法についてご紹介しました。他にも様々な方法があると思いますので、本記事の内容もその1つでしかないということにご注意ください。
本記事は以上です。お疲れさまでした。